認知症と発達障害は、どちらも脳に関連する病気や障害の一種ですが、発生するタイミングや症状、治療法などに違いがあります。
認知症は、主に高齢者に発症し、脳の退行性変化によって記憶力や判断力、言語機能などが徐々に低下していく病気です。認知症にはアルツハイマー型認知症や血管性認知症などがあり、治療法は症状緩和が主体であり、薬物療法や認知症予防プログラムなどが行われます。
一方、発達障害は、脳の発達に問題があり、言語・社交・注意力・行動の制御などの機能に影響が出る障害です。発達障害には自閉症スペクトラム障害や注意欠陥・多動性障害(ADHD)などがあり、治療法は早期発見・早期介入が重要であり、療育や行動療法、薬物療法などが行われます。
また、認知症と発達障害の共通点として、社会生活において支障が出ることが挙げられます。認知症は高齢者に多く、日常生活での認知機能の低下や、社交性の低下などにより、介護が必要になる場合があります。一方、発達障害は幼少期から現れ、学校や職場での社交性やコミュニケーション能力の低下などにより、日常生活において支障が出ることがあります。
認知症と発達障害は、治療法や症状などに違いがありますが、どちらも個人の社会生活に大きな影響を及ぼす病気や障害であることには変わりありません。そのため、適切な診断と治療、サポートが必要です。特に、高齢になって標準的な認知症治療で改善しない患者さんの中には、元来発達障害の既往がある可能性があります。
日本でも発達障害が幼少期に認識されるようになり、積極的治療がされるようになったのは近年であり、幼少期に発達障害と診断されなかった世代が高齢期に入り、認知症を併発している、もしくは発達障害そのものを認知症として診断されている症例も見受けられるようです。
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